まちづくり会社 株式会社まちみとラボでの活動について③
このコラムでは弊社代表・三上靖彦の社内外での活動について連載していきます!
今回は水戸市中心市街地活性化協議会の設立についてです。
苦戦した草創期
平成20年9月、私が代表を務めるNPO茨城の暮らしと景観を考える会が水戸市から中心市街地整備推進機構に指定され、翌10月には水戸商工会議所と共同で水戸市中心市街地活性化協議会を設立しました。中心市街地の活性化に大いに貢献することが期待されましたが、設立当時は水戸市との折り合いが悪い状況が続いていました。特に中心市街地活性化の基本計画については、協議会としては国の認定を受け、国からの積極的な支援を期待していたのですが、水戸市としては、民間サイドからの事業提案のない状況では、認定を取ることは難しいとのスタンスから、結局、認定申請はされず仕舞いでした。そもそも、設立当時は互いの信頼関係構築に至っていなかったのです。
東日本大震災が大きな転換点に
そんな中で発生したのが、平成23年3月の東日本大震災。震災は時代を加速させます。まちなかの衰退は待ったなし。即座に水戸商工会議所のまちづくり委員会(深谷邦夫委員長)とともに、水戸の未来、特に中心市街地と新市庁舎問題について議論しました。後に「新市庁舎についての私たちの考え方」としてまとめられるレポートでは、戦略的なリーディングプロジェクトとして、シビックセンター(ざっくりと言ってしまえば、市役所と市民会館とスポーツセンターを1つにまとめたようなイメージ)の整備による中心市街地の活性化を掲げました。さらに三の丸での仮庁舎建設に合わせ、「おかえりなさい 水戸市役所」という事業も展開しました。
組織の若返りと水戸市との協働
このような活動を通し、市役所との関係性は大いに改善されました。一方で、より効果的な事業展開に向け、協議会活動を抜本的に見直すべく、検討を重ねました。結果、専門部会を中心に活動を進めることとし、また専門部会の構成メンバーそのものを大きく若返らせることにしました。平成26年、常磐大学の横須賀靖教授を運営委員長にお迎えすると同時に、まちなかの若手を中心とした新しい専門部会構成を実現、活発な議論が行われるようになりました。水戸市の策定する中心市街地活性化ビジョンに対し、協議会としての意見の多くが取り入れられ、また翌平成27年に策定された中心市街地活性化基本計画には、各専門部会から74事業を提案、最終的に38事業が採用されました。
まちなかの若手を中心とした議論によって、より実効性の高い事業提案がなされてきた訳でありますが、その中で、今後、責任ある事業主体としての「まちづくり会社」の必要性についても取り上げられていました。
平成28年の春、内閣府は「まちづくり会社」の設立を条件に、水戸市中心市街地活性化基本計画の総理大臣認定を決めました。